水泳の板キックとは?正しいやり方・ビート板の持ち方・バタ足のコツを解説
2020-11-10こんにちは。
水泳個人レッスンKN Swim Labの西川です。
今回は、水泳の練習では定番の「板キック」について解説します。
板キックとは、ビート板を使って行うキック練習のことです。
クラブやコーチによっては「ボードキック」「ビート板キック」と呼ぶこともありますが、基本的には同じ意味です。練習メニューでは「BK(ボードキック)」と表記されることもあります。
クロールのバタ足だけでなく、バタフライのドルフィンキックや平泳ぎのキックでもビート板を使って練習することがあります。
ただ、板キックはビート板につかまってキックをすればいいというわけではありません。
・顔を上げるのか、水中に入れるのか
・足を水面から出すのか、出さないのか
・ビート板をどこで持つのか
目的によってやり方を変えることで、初心者のバタ足練習から競泳選手のキック強化まで使える練習になります。
今回は、板キックの基本的なやり方からビート板の持ち方、うまく進まない原因まで詳しく解説していきます。
板キックで使う「板」はビート板のこと
板キックの「板」とは、基本的にビート板のことです。
「ボード」や「キックボード」と呼ぶこともありますが、呼び方が違うだけで同じものだと思って大丈夫です。
ちなみに自分はレッスン中、
「板持ってきて〜!」
って感じで選手とやり取りしています。
ビート板にはいろいろな種類がありますが、大きく分けると一般的なビート板と、プルブイとしても使える小型のタイプがあります。
初心者や小さなお子さんの場合は、身体を支えやすい一般的なビート板がおすすめです。
一方、小型のタイプは身体を支える面積が小さくなるため、ある程度姿勢が安定して、キックで推進力を作れるようになってから使うといいでしょう。
板キックで大切なのはビート板の種類よりも、そのビート板を使ってどんなキックを練習するかです。
板キックの種類と正しいやり方
板キックには、クロールのバタ足、バタフライのドルフィンキック、平泳ぎのキックなどがあります。
今回は、その中でも最も一般的な**クロールの板キック(バタ足・フラッターキック)**を中心に説明していきます。
顔を水中に入れて行う板キック
初心者や小さなお子さんの練習では、キックだけでなく呼吸の練習として板キックを使うことも多いです。
顔を水中に入れて、
「イチ、ニ、サン、パッ!」
という感じで顔を上げて呼吸する練習ですね。
顔を水中に入れると、顔を上げた状態よりも身体を水平に保ちやすくなります。
そのため、
・バタ足のフォームを覚える
・水中で息を吐く練習をする
・呼吸のタイミングを覚える
・身体を水平に保つ感覚を身につける
といった目的に向いています。
平泳ぎやバタフライでも、キックと呼吸のタイミングを覚えるために板キックを使うことがあります。
顔を水面から上げて行う板キック
顔を上げた板キックは、顔を水中に入れた板キックよりも強度が高くなります。
人間の身体は、上半身が水面から出るほど下半身が沈みやすくなります。
そのため顔を上げると腰や脚が沈みやすくなり、それを防ぐために体幹を使いながら強くキックする必要があります。
「顔が出ているから呼吸できるし、こっちの方が簡単そう」
と思うかもしれませんが、実際にやってみるとなかなかキツいです。
競泳選手のキック強化など、トレーニングとして板キックを行う場合には顔上げを使うこともあります。
特にバタフライのドルフィンキックを顔上げでやるとなかなかの強度ですよ。
ビート板の持ち方

板キックでは、ビート板の持ち方によっても身体の使い方が変わります。
クラブやコーチによって指導方法は違いますが、ここでは代表的な持ち方を紹介します。
ビート板の先端をつかむ
ビート板の一番先を両手でつかむ方法です。
これは顔を上げて行う板キックのときにおすすめです。
腕をビート板の上に乗せやすく、上半身を安定させながらキックすることができます。
ビート板の真ん中あたりに手を置く
こちらは顔を水中に入れて行う板キックにおすすめです。
ビート板の先端をつかんでしまうと、腕やビート板の位置によっては顔を水中に入れにくくなります。
真ん中あたりに手を置けば、ビート板の補助を使いながら顔を水中に入れやすくなります。
初心者や小さなお子さんの呼吸練習にも使いやすい方法です。
板キックは顔を入れる?顔を上げる?
これはよく聞かれる質問ですが、どちらが正しいというものではありません。
目的によって使い分けます。
例えば、キックを強化するトレーニングとして行うのであれば、顔を上げて板キックをする方法があります。

顔を上げると下半身が沈みやすくなるので、姿勢を保ちながら強くキックする必要があります。
一方、顔を入れた板キックは身体を水平に保ちやすくなります。

そのため、
・初心者のバタ足練習
・呼吸練習
・キックフォームの確認
・身体への負担を抑えながら行いたい場合
などに使いやすい方法です。
つまり、
顔上げ=キック強化やトレーニング
顔入れ=フォームや呼吸、基本動作の練習
というのが一つの目安です。
もちろん、選手の課題や練習目的によって変えることもあります。
板キックで足は水面から出す?出さない?
これもレッスンでよく聞かれます。
結論から言うと、これも目的によって使い分けます。
足を水面からあまり出さない板キック
バタ足のフォームを覚える場合には、顔を水中に入れて、足を水面から大きく出さない板キックを行うことがあります。
よく、
「足の付け根から蹴って!」
と言われますよね。
でも子どもや初心者の方に「付け根から」と言っても、逆に身体が緊張して脚全体が棒のようになってしまうことがあります。
そこで、顔を水中に入れて水平姿勢を作り、足を水面から大きく出さないようにキックしてみます。
そうすると必要以上に脚を持ち上げにくくなり、股関節から脚を動かす感覚をつかみやすくなります。
「股関節から動かして!」
と何度も言うより、自然にそう動きやすい状況を作ってあげる。
自分はレッスンでもこういう方法をよく使います。
足を水面から出して行う板キック
こちらはトレーニング的な要素が強くなります。
例えば、顔を上げて足も水面から出す板キック。
キックの回転数を上げたり、強いキックを打ち続けたりする練習として使うことがあります。
この場合は「股関節を大きく動かそう」とするよりも、テンポよくキックを打ち続けることを意識させる場合もあります。
フォーム練習とトレーニングでは目的が違うので、同じ板キックでもやり方を変えるということですね。
板キックをしても進まない原因
「板キックをしても全然進まない」
これは初心者だけでなく、ジュニアスイマーのレッスンでもよく見る課題です。
原因は一つではありません。
代表的なのは、
・膝だけでキックしている
・脚全体に力が入りすぎている
・足首がうまく使えていない
・身体や腰が沈んでいる
・キックの幅が大きすぎる
・水を後ろに送れていない
といったものです。
特に多いのが、速く進もうとして一生懸命蹴るあまり、身体全体に力が入ってしまうケース。
強く蹴れば速く進むとは限りません。
バタ足では、股関節から脚を動かしながら、膝や足首まで連動させて水に力を伝えていくことが大切です。
ただし、「膝を曲げてはいけない」「足首をこうしなければいけない」と一部分だけを意識しすぎると、かえって動きが硬くなることもあります。
大切なのは、自分がなぜ進まないのかを見つけること。
ここは一人ひとり原因が違います。
背泳ぎでも板キックはする?
背泳ぎでは、クロールほど板キックを使わないことが多いです。
気をつけの姿勢やストリームライン(けのび)の姿勢でキック練習をすることが多いからです。
ただ、小さなお子さんや初心者の場合は、仰向けになってビート板をお腹のあたりに抱える方法もあります。
ビート板の浮力を利用できるので、仰向けで浮くことに慣れていない方の練習にも使えます。
板キックは目的によってやり方を変えよう
今回は「板キック」について解説しました。
板キックの「板」はビート板のこと。
同じ板キックでも、
・顔を入れる、顔を上げる
・足を水面から出す、出さない
・ビート板の持ち方を変える
など、やり方によって練習の目的や強度を変えることができます。
初心者のバタ足や呼吸練習にも使えますし、競泳選手のキック強化にも使えます。
大切なのは、とりあえず板キックをするのではなく、「何のためにこの板キックをするのか」を考えること。
同じ練習でも、目的が変わればやり方も変わります。
KN Swim Labの個人レッスンでは、一人ひとりの泳ぎを見ながら、キックが進まない原因やフォームの課題を確認し、それぞれに合った練習方法を提案しています。
板キックやバタ足がなかなか上達しない、もっと速く泳ぐためにキックを改善したいという方は、個人レッスンも活用してみてください。
水泳の個人レッスンをお考えの方へ
KN Swim Labでは、初心者のお子さまから競泳選手、成人・マスターズスイマーまで、一人ひとりの目的や課題に合わせた個人レッスンを行っています。


