【平泳ぎ】後半の減速を抑えよ!

こんにちは。

水泳個人レッスンKN Swim Labの西川です。

今日は平泳ぎのお話です。

皆さん平泳ぎってどんなイメージがありますか?
やはり、北島康介選手が一番ですかね。

よく耳にするのがこちら

・意外とキツい
・楽そう
・抵抗が大きい
・膝や腰に悪そう
・難しい
・教えるのが難しい

膝や腰に悪そうは今回置いておきまして、その他は自分も共感するところが大きいです。
去年は平泳ぎでもビッグタイトルに関わらせていただきました。そのレースを見ていても「あ〜、後半キツいな〜、行け!粘れ!」って呟きながら見ていました。

100m、200m種目になると後半かなりキツくなり減速しますよね。そこで今回は後半の減速を防ぐ方法を書いてみますね。

ただ、ひとつ言っておきたいのが、これだけやれば大丈夫なんてものじゃありません。

当たり前ですが、そんなのないですからね。

日本代表クラスの前後半差(長水路)

まずは日本のトップ選手の前後半差をまとめてみます。

2022年12月1日~12月4日まで開催されたジャパンオープンの結果を参考に日本トップクラスの選手の前後半差を調べてみました。

長水路男子100m花車優選手の場合

前半28.51
後半31.40
トータル59.91
前後半差+2.89

長水路女子100m青木玲緒樹選手の場合

前半30.99
後半35.12
トータル1:06.11
前後半差+4.13

長水路男子200m花車優選手の場合

前半1:02.58
後半1:06.28
トータル2:08.86
前後半差+3.70

長水路女子200m渡部香生子選手の場合

前半1:10.96
後半1:14.41
トータル2:25.37
前後半差+3.45

日本代表クラスの前後半差(短水路)

次に短水路での前後半差です。

短水路のデータは2022年10月22日、23日に開催された短水路日本選手権のものから。

短水路男子100m日本雄也選手の場合

前半26.69 
後半29.72
トータル56.41
前後半差+3.03

短水路女子100m青木玲緒樹選手の場合

前半29.76
後半34.25
トータル1:04.01
前後半差+4.49 

短水路男子200m瀬戸大也選手の場合

前半58.58
後半1:03.05
トータル2:01.63
前後半差+4.47 

短水路女子200m楠田夢乃選手の場合

前半1:08.23
後半1:13.13
トータル2:21.36
前後半差+4.40

前後半差のまとめ

日本トップクラスの選手でも長水路100mで2.89~4.13秒、短水路100mで3.03~4.49秒。200mでは長水路で3.45~3.70秒、短水路で4.40~4.47秒落ちていることがわかりますね。

もちろん、前半型の選手か後半型の選手かにもよるし、またそのときの作戦にもよります。ただ、究極は前半しっかり突っ込んで後半の落ちが少ないのが理想。それらを踏まえても日本トップ選手でもこれだけ後半の方が落ちていると言うお話です。

後半タイムが落ちる原因

では、次になんで後半タイムが落ちるのかを考えてみます
原因がハッキリしないのにただ、後半がんばれ!じゃ、やってる方も萎えちゃいますからね。今回は後半のタイムが落ちる原因を3つほど挙げてみます。

筋疲労

まずは筋疲労。

平泳ぎって一見楽に思われることが多いのですが、消費するエネルギーで言うとバタフライの次に多いんです。クロールや背泳ぎのように左右の腕や脚を交互に動かす泳ぎよりバタフライや平泳ぎのように両腕、両脚を同時に動かす泳法の方が消費するエネルギーが多いってわけです。

ちなみに消費するエネルギーが多い順番はこちら。

1位バタフライ
2位平泳ぎ
3位背泳ぎ
4位クロール

さらに平泳ぎは最も抵抗を受ける泳ぎ。

これは多分、聞いたことがあると思うのですが、足の引きつけが上下方向ではなく、前後方向だからというのが1つ目の原因。

推進方向と逆方向に引きつけるため、どんなに上手い選手でも抵抗を生んでしまいます。

もうひとつの原因が腕のリカバリー動作が水中ということ。

他の3泳法は全部水の外から腕を前方に戻しますよね。平泳ぎだけほぼ水中。

この抵抗を減らしていくことも大事なのですが、この抵抗により筋肉が疲労して行くっていうこともしっかり頭に置いておかなくちゃいけないことですよね。

じゃ、筋トレたくさんやればいいの?って話になるのですが、そんな話じゃない。

その辺りの対処法は後半で!

心肺疲労

次に考えられる疲労が心肺機能の疲労。

平泳ぎは毎回呼吸をできるといっても、下半身の大きな筋肉をフルに使っていることもあり心拍数もどんどん上がって行きます。ターン後もひとかきひと蹴りで長く潜るため息を止める時間もありますからね。

自分も実際、短水路200mの175mターン時のひとかきひと蹴りは地獄で、やらないこともしばしば。よくぶん殴られてました。

ってことで2つ目の原因は心肺機能の疲労。

姿勢保持とボディポジション

3つ目は姿勢保持とボディポジション。

実は自分、これが1番重要だと考えています。

最近では100mでもガンガン攻めて行くため伸びる時間は少なくなっていますが、やっぱりしっかりとストリームラインを作ることが大事ですよね。疲れてくるとこのストリームラインを作ることができなくなる。さらにそのことによってボディポジションが深くなって行く。

この悪循環がどんどん抵抗を増やしてしまう。

ここは本当に重要でまず取り組んでほしいところなので、ちょっと詳しく書いておきますね。

ストリームライン姿勢をキープするのに重要なのが腹圧。簡単にいうと、お腹に軽く力を入れておくこと。実際に泳いでてきつくなってくるのって、太ももや脛、腕や肩なんかだと思うのですが、知らないうちにお腹周りの筋肉も疲労してくる。

お腹周りの筋肉は推進力を生み出す筋肉じゃないから意外と気づかないことが多い。

気づかないから後半、腹圧が抜けてきたことにも気づきにくい。だからお腹の力っていうのは常に意識しておかなきゃいけないんですね。特に練習の後半で。

で、腹圧が抜けてきたときに起こるのが腰反り。腰が反ればしっかりとした引付もできなければ、強いキックも打てなくなる。さらに腰が反るってことは、お腹がプールの底に向かって出ている状態。

これ、陸上でも試してほしいのですが、腰を反らした状態だと思うように歩けませんよね。これが水中でも起こってるというわけです。

もうひとつ!

腹圧が抜け始めると引付の動作で膝が落ちやすくなる。

膝が下に落ちれば太ももの前面で抵抗を受けることは簡単に想像できますね。

こうなってくると、いかに出力を上げてもスピードは上がらない状態。例え、ものすごいキックやプルを継続できたとしても自分でブレーキをかけながら泳いでるわけなので、スピードは出ないというわけです。

後半落ちにくくするには

それでは、ここから原因に対しての対処法を。

スピード持久力の強化

これはもう、トレーニング的な練習をどんどん積み重ねないといけない。

例えばハイディセンディング。

ディセンディングは1本目より2本目、2本目より3本目を速く泳ぐ練習方法。これを高いレベルでやるのがハイディセンディング。

1本目から80%ぐらいのスピードで泳ぎ、2本目は90%、3本目はMaxといった感じ。

筋肉も心肺機能も疲労した状態からさらにスピードを上げていくことでしっかりと負荷をかけ、後半疲れにくくするのが目的ですね。

心肺機能の強化

心肺機能の強化についても上のハイディセンディングは効果的。

さらに陸上でもって方におすすめなのがHIIT(高強度インターバルトレーニング)。HIITは高い強度の運動と小休憩を挟むトレーニング。

具体的には20秒間全力で動き、10秒間休憩。これを1セットとし、8セット行う。腕立て伏せやバーピージャンプなど行うのもいいのですが、心肺機能だけ鍛えたいのであれば、短距離走でもOK。実際、自分はトレッドミルの上で全力疾走を20秒、休憩10秒ってかたちでやってます。

トレッドミルのメリットはクッションがあるため、走るのが苦手なスイマーでも足首や膝に負担が少ないこと。

それと、外だと信号や障害物のないところを選ばないといけませんが、その点、トレッドミルは心配ないですね。

体幹強化

体幹強化っていうとやはりすぐに思い浮かべるのが腹筋などの筋力トレーニングかと思います。

実際、腹筋たくさんやった方がいいいでっすか?って質問もたくさんいただきます。

もちろん、やらないよりやった方がいいのですが、腹圧や姿勢保持に関しては腹筋のトレーニングよりも普段の姿勢とストリームラインを常に意識してほしい。

普段椅子に腰かけている時でも腹圧を意識する。通勤、通学の時も同じ。

さらに練習中はプルの動作やキックの動作でけでなく、常にストリームラインを意識して泳ぐこと。特にメニューの後半、練習の後半になるほど腹圧を高めて下半身が下がらないような意識を持って練習に臨むこと。

正直、今まで姿勢や腹圧を意識してこなかった選手であれば、効果は早い段階から現れるはず。

今回お話しした3つの対処法の中でまずこの体幹強化の意味をしっかり理解してぜひ実践してほしいと思っています。

まとめ

はい、今回も長々とした文章を最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

話しをまとめると、後半タイムが落ちてしまう原因をまずはしっかり理解することが大事ということ。そして、それぞれの原因に対して、それぞれの対処法があるということです。

その中でも、まずは後半の姿勢維持(ボディポジション)の意識を強く持って練習、レースに臨んでほしいというお話しでした。

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