ジュニアスイマーは数字からこう学べ!アジア大会とJO男子100m自由形を比較

2026-09-21

こんにちは。
水泳個人レッスンKN Swim Lab西川です。

今日は盛り上がっているアジア大会の結果と長水路で行われた夏のジュニアオリンピックを比較してみたいと思います。

第1弾の今日は昨日の男子100m自由形決勝です。

 

優勝したのは中国の潘展楽(ハン・テンラク)選手

優勝タイムは47秒61でした。

今回はこのレースを「前半50m」と「後半50m」に分けて見ながら、100m自由形のレースについて考えてみたいと思います。
さらに記事後半では、ジュニアオリンピック(JO)優勝選手の前後半タイムとも比較してみます。


アジア大会優勝・潘展楽選手の前後半

潘展楽選手の100mは、

47秒61

前半50mは、

22秒92

後半50mは、

24秒69

でした。

つまり、前半と後半の差は、

+1秒77

です。

100m自由形というと「前半からどこまで速く入れるか」に目が行きがちですよね。

もちろん100mなので、前半からスピードを出すことは絶対条件。
しかし今回の決勝は、後半50mの重要性が非常によく分かるレースになりました。


50m地点ではトップではなかった

50m地点でトップだったのは韓国のキム・ヨンボム選手

前半を22秒81で通過しています。一方、潘展楽選手は22秒92
50m地点では潘展楽選手が0秒11負けていました。

ところが後半50mを見ると、

潘展楽 24秒69

キム・ヨンボム 24秒84

後半50mでは潘展楽選手が0秒15速く泳いでいます。

最終タイムは、

1位 潘展楽 47秒61

2位 キム・ヨンボム 47秒65

その差は、わずか0秒04

50m地点では2位だった潘展楽選手が、後半50mで逆転での優勝です。

100m自由形は、単純に「前半が速い選手が勝つ」とは限らない。後半どこまで粘れるかも重要。
それが非常によく分かるレースだったと思います。


100m自由形は「前半を抑えればいい」わけではない

ジュニア選手のレースを見ていると、「前半が速すぎたから後半落ちた」という話を聞くことがあります。

では、前半を抑えればいいのか?
いや、それやっちゃダメね!

100mという距離でタイムを出すためには、前半からしっかりスピードを出す必要があります。
重要なのは、前半を速く泳いだうえで、後半をどこまで落とさずに泳げるか
ということです。

今回の潘展楽選手は、

前半 22秒92

後半 24秒69

前後半差 +1秒77

トップ選手でも当然、後半は前半より遅くなります。

だから見るべきなのは、「後半が落ちたかどうか」ではなく、「どのくらいの落ち幅だったのか」ってところ


JO優勝選手と比較してみる

ここで気になるのが、「ジュニアオリンピックで優勝する選手は、前半と後半にどれくらいの差があるのか?」ってところですよね。

アジア大会の優勝選手とジュニア選手では、身体の大きさも筋力も泳速も違います。
そのため、単純にタイムだけを比べてもあまり意味はありません。

そこで今回は、

前半50m

後半50m

前後半のタイム差

に注目して比較してみます。

 

区分 100m 前半50m 後半50m 前後半差
JO 11〜12歳 54.78 26.68 28.10 +1.42
JO 13〜14歳 52.06 24.87 27.19 +2.32
JO 15〜16歳 49.74 23.72 26.02 +2.30
JO CS 49.60 24.24 25.36 +1.12
アジア大会 47.61 22.92 24.69 +1.77

 


比較すると何が見えてくるのか

アジアNo.1選手だから前後半さが圧倒的に少ないというわけではないのがわかりますね。

潘展楽選手は50m自由形を2026年6月の中国選手権で22.28で泳いでいます。
これがベストかは調べていないのですが、50mを全力で行ったときと今回の100mの前半の差は+0.64

ターンで回転して足でタッチしたタイムなので、50mを全力で行ったときとほぼ同じですよね。
つまり前半抑えていないということになります。

次に13~14歳の優勝選手を見てみます。
この選手は同じ2026年夏のJO50m決勝で23.65で優勝していますね。

同大会の50m自由形では23秒65で優勝しています。
100m自由形の前半は24秒87なので、その差は+1秒22。

一方、潘展楽選手は50m自由形22秒28に対して、100mの前半が22秒92。その差は+0秒64でした。
もちろん、50m自由形と100m自由形ではレースの組み立ても違うため、この数字だけで「前半を抑えた・抑えていない」と断定することはできません。

ただ、100mの前半を自分の50mのタイムにどこまで近づけて泳いでいるかを見る一つの材料にはなります。

この2人だけを比較しても、100m自由形のレースパターンが同じではないことが分かります。
「100mは前後半差を何秒以内にすれば正解」みたいな単純な話ではないんですよね。

50mのスピードが武器なのか。
後半の粘りが武器なのか。
前半にまだ余裕があるのか。
選手によって見るべきポイントは変わります。

数字だけで見ると、アジアNo.1はこんな感じなのか!?
じゃあ俺は「もっと前半突っ込めるようにしよう」とか「前半はいけてるから、後半粘れる体力をつけよう」なんていう反省点が見えてきますよね。

今回はそんなことを皆さんに感じてほしいと思い、記事にしました。

もちろん、13~14歳の選手の結果を引き合いに出したのは他意はなく、無作為に選ばせていただいたものです。


自分の100mも前後半に分けてみよう

で、ここが大事!

レースが終わって、「ベストが出た!」「ベストが出なかった……」
だけで終わってしまうのは、少しもったいない!

例えば、

前半50mはベストの時より速かったのか?
後半50mは何秒だったのか?
前後半差は何秒だったのか?

ここまで見ると、自分のレースの課題がかなり分かりやすくなりますよね。

同じ100mのタイムでも、前半が速く後半に大きく落ちたレースと、前半・後半をまとめて泳いだレースでは、内容はまったく違うはず。
次に100mを泳いだ時は、ぜひ「前半50mと後半50m」もチェックしてみてくださいね。


まとめ

2026年アジア大会男子100m自由形を制した潘展楽選手は、

47秒61
前半50m 22秒92
後半50m 24秒69
前後半差 +1秒77

50m通過ではトップではありませんでしたが、後半50mで逆転して優勝しています。
100m自由形では前半のスピードだけではなく、「前半からスピードを出しながら、後半をどこまで落とさず泳げるか」も重要です。

そして、こういったデータをジュニアスイマーはどうやって使えばいいのか。
今後もアジア大会やジュニアオリンピックなどのレースデータを使いながら、トップ選手のレースからヒントの得方を載せていきますね。


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