【バタフライ】第1キックから始めるな!




こんにちは。
水泳個人レッスンKN Swim Lab西川です。

久しぶりに水泳のことしっかり書いてみますね。

今回はバタフライの導入について。
あ、難しい言葉なしにしましようかな。

導入ってこれからバタフライ覚えましょうって段階ね。
これは幼児、小学生だけのお話ではなく、成人の方でバタフライを始めたいって方でも一緒。
実際、この方法で成人の方もバタフライ25mをすんなり泳げるようになりました。

でね、ちょっと前置きしたいんだけど、「これやったら絶対泳げるよ!」とか、「これしかない」とかって話じゃないのね。
リバウンドを制すものが試合を制す!じゃないけど、水泳ではそういうのなしで。

その辺を踏まえながら最後まで読んでいただければ幸いです。

じゃ、早速行ってみますか!

条件

これから書くことにはある程度の条件がないとできないのね。
だって、クロール泳げません、呼吸の仕方わかりませんだと一般的にバタフライに挑戦しようとは思わないでしょ!?
ってことで、まずは条件を書き出してみますね。

バタフライ以外の3泳法で25m完泳できること

一般的なスイミングクラブでは水慣れから始まって、クロール→背泳ぎ→平泳ぎ→バタフライなんて順番で習いますよね。
たまに背泳ぎ→クロールというところありますが。

「バタフライなんてタイミングさえ合えば簡単だ」とか「タイミングさえ合えば疲れない」なんて話を聞くことがあるんだけど、とんでもない。
きっと、「だからバタフライ始めましょう!」
なんて宣伝文句なんかだと思うんだけど、バタフライ、きついですよ。
タイミングが合おうが、深く潜ってゆ〜っくりなんてやってもきついですよ。他の3泳法に比べたらね。

体力的な話もあるけど、技術的にも難しい泳ぎなので、やはりバタフライ以外の3泳法を泳げてから挑戦するのがいいですね。

水深

これ大事なんだよね。
今回の練習方法はイルカ飛びって言って軽くジャンプしてから潜るという動作が入るため、鳩尾ぐらいまで水面から出るプールがおすすめ。
大人の方なら胸ぐらいでもいけるかな。

条件としてはこんなかな。

バタフライ完成までの順序

さて、ここからは技術的なお話をテキストだけで行ってみます
画像もつけてなんて思ったんだけど、テキストだけでどこまで伝えられるかも指導者として重要なところでしょ。

さらに実際の動作なんかはインスタYouTubeで配信できればと思ってますのでご期待ください。

まずはイルカ飛び

イルカ飛びって知ってます?
全ての泳ぎの基本になるのが蹴伸びなら、バタフライや平泳ぎに関してはこのイルカ飛びが基本になると考えています。

まずはしっかり水中に立ちます。
立った状態からかる〜くジャンプ。
ジャンプは上方向じゃなく、前方向ね。

そう、飛び込みをする感じで。

両手は蹴伸びのように組んでもいいし、手は離しておいてもOK。
バタフライに繋げるなら、離しておいた方がいいかな。

指先、頭の順番で水面から水中に飛び込む感じで。
指先、頭、お腹、お尻の順番で潜っていくのね。
このとき、目線はやや下向き。顎を引く感じで。
たまに「おへそを見ろ!」なんて聞きますが、それだと引きすぎかな。
顎を引きすぎると鼻に水が入りやすいから注意!

頭が水中に入ったな〜って思ったら、指先を上方向(水面方向)に向けながら目線も前。
今度は指先、頭の順番で浮いてきます。

このとき大事なのが姿勢とお尻、お腹の意識。

姿勢はやはり、基本蹴伸びね。

潜るときはお腹をへこめてお尻を出す感じ。
浮いてくるときはお腹を伸ばしてお尻を締める感じ。
実はこの動きこそ、バタフライの第1キックと第2キックの動きと一緒なのね。

もう一度整理してみよう。

1、水面に立つ
2、指先、頭の順番で前に飛び込む
3、頭が入ったら指先を水面方向、目線も水面方向に向かって上げていく
4、頭が水面から出たら立つ

これで終わり。
続けて泳ぐわけじゃなく、1回1回立つから初心者でも安心だよね。

遊び感覚でできる楽な練習だから何回もやってほしい。
最初は深めに潜って、慣れてきたら浅めに。
できるだけ遠くに出るようにたりなんかで楽しみながらやってみてほしい。

イルカ飛び+ストローク

はい、ストロークとかかっこい言葉使っちゃったね。
手のかきって思ってもらえればOK。

イルカ飛びができたら、ここに手のかきを追加してみよう。

一度潜って、そろそろ頭が水面から出るかな〜ってときにバンザイしてる両腕を気をつけにするだけ。
ただ、気をつけて欲しいのが両腕を横からかいちゃダメね。
下から。そう、胸の前からね。

大事なのはタイミング。
頭がそろそろ水面から出るかな〜ってところでかき始めること。
頭が出てからじゃ遅いし、頭が深い位置にあるところでかき始めてもダメ。

1回試して欲しい。

悪い位置でかき始めると頭が勢いよく水面から出てこないから。

もうひとつ注意して欲しいのが、上方向(天井方向)に向かって浮き上がらないこと。
顔が前方向(進行方向)に向かって出ていくようなイメージがいいね。

はい、じゃここまでおさらい。

1、イルカ飛びで潜る
2、頭がそろそろ水面から出るかな〜ってところで両腕を気をつけにする
3、顔を勢いよく前に出す
4、これで終わり。立ってOK

イルカ飛び+ストローク+第2キック

さて、次はキックをつけてみよう。

バタフライって1ストロークサイクル中に2回のキックを蹴るのね。
そう、第1キックと第2キック。

はいまたストロークサイクルとか第1キックとか使っちゃった。
たまにカッコつけたくなるんだよね。

ストロークサイクって言うのは腕を1回まわす動作のこと。

第1キック、第2キックはあとで説明するよ。
その方がわかりやすいと思う。

でね、ここでは第1じゃなく、先に第2キックを入れてみる。
普通は逆だと思うけど、バタフライ自体を覚えるにはこの方が効率的かなって。

まずはイルカ飛び+ストロークだね。
イルカ飛びで潜ったとき、お尻は水面からがるよね。
頭から潜ると、お尻が上がる。
このとき下半身(膝)の力を抜いておくと、自然と足が振り上がるのね。
その振り上がった足を水面に置くだけでいい。

だからキックってよりも水面から出た足を水面に置いてあげればいい。
これが第2キックなのね。
ひとつ大事なのがさっきも書いた、お腹とお尻。
足を水面に置いたところではお腹を伸ばして、お尻を締めることが大事。

両方意識するのは難しかったらどちらか意識しやすい方だけでいいよ。

タイミングとしては、両手が気をつけになるところで足も水面に置けるといい。

そう、やっぱりここでもタイミングが重要ってわけ。

はい、ここまでまとめるよ。

1、イルカ飛び
2、浮き上がるときに両腕を気をつけ
3、水面から出た足を水面に置く

ここまででバタフライ半分できちゃった感じ。



イルカ飛び+ストローク+第2キック+リカバリー

はいまた出てきた。
リカバリーね。リカバリーって言うのは水の外から腕を前方に戻す動作ね。

前の段階では気をつけ姿勢で終わってた両腕をイルカ飛びのスタートポジションに戻す。
あ〜、スタートポジションってのは、バンザイの姿勢ね。

両腕は横から回すこと。
この両腕を横から回す動作がきついって方が非常に多い。
大事なのは気をつけをするときある程度勢いよくかくこと。
この勢いのまま、動きを止めずに横から振る感じね。

このとき手が水面を触ってしまうようであれば、イルカ飛び少し深くしてあげるいい。
そうそう、うねりを大きくするって意識で。

深く潜った方が浮力を使えるからね。

選手であればよりフラットにって感じが主流なんだけど、最初まず、思い切り水の力を借りちゃえばいいじゃん。
そこから少しずつフラットに変えていけばいい。
過去に大は小を兼ねる」って記事で紹介してるんで、興味あったらみてくださいね。

話ずれた。
で、両腕を前に戻したとき顔も水中に戻すこと。
ここまでくると、もうバタフライ1回完成って感じだよね。
まだ!あとひとつだけ足さないといけないのね。
これは次に紹介するとして、ここまでの」まとめ。

1、イルカ飛び
2、浮き上がるときに気をつけと第2キック
3、気をつけした腕を前方に戻す

最後に第1キックをつけて完成

最後ね。
最後は前に戻してきた手が入水した瞬間にお尻を上げながら第1キックを打つ。
これで完成。

雑か。

でもこれだけだよね。

注意点としては、お腹をへこませてお尻を上げながらキックを蹴ること。

つまり「第1」という名称のキックを最後に蹴ること。
これが重要なんですね。
詳しくはのちほど。

1、イルカ飛び
2、気をつけ姿勢にしながら第2キック
3、横回しのリカバリー
4、入水のときに第1キック

こんな感じ。
これでイルカ飛びからバタフライ1回が完成。



実際のバタフライ

さあ、実際にバタフライを泳いでみよう。
実際に泳ぐときは壁を蹴って、蹴伸び姿勢から始めるわけだよね。

せっかく第2キックから練習したのに、第1キックから始めるわけね。
どう言うこと?って思いますよね。

まずは蹴伸びで水面に浮きます。
両手は組まなくてOKね。

この姿勢からキックの力でイルカ飛びをするってこと。
蹴伸びから一度、おへそをプールの底に向かって落とす。
このとき、お腹を伸ばす意識を持つといいね。

そこから下に向かってキックを蹴り込む。
同時にお尻を上げる。

このキックで頭を潜らせる。
つまり、キック+イルカ飛びに変わったってわけ。

このキックが第1キック。

第1キックで潜ったら、目線を前方(進行方向)に移しながら腕を気をつけ姿勢にする。
同時にお腹を伸ばす(お尻を締める)と自然と第2キックが打てるんです。

そこから腕を水面上で前に戻す。

戻すと同時にまた第1キック。

どう?
わかるかな〜。

つまり第1キックはスタートのキックでもあるんだけど、泳ぎをつなぐ、繋げるキックでもあるんだね。

ちなみに第2キックって言うのは第1キックから派生した動きなのね。
だから第1がなければ第2は生まれないの。

重要なのは、もう一度言うけど、第1でお腹をへこませてお尻を上げる、第2でお腹を伸ばしてお尻を締めるってこと。
脚が変に緊張しなければ第1キックと第2キックは自然と打てる。

この自然と打てるようにするのが、今回紹介してる順番なのね。

なぜ第1キックを最後にするのか

ここからは身体の使い方のお話。

スイミングスクールなんかでは、まず壁につかまったり、ビート板を持ってのキック練習から始めるのが一般的かな。
「バタフライはとにかくお尻」自分もこの言葉、よく使います。

壁やビート板を使ったキック練習でもお尻を上げることを注意されると思う。

お尻を上げるのは第1キックだよね。

つまり、この練習はすべて第1キックの練習ってわけ。

一方、第2キックは第1キックから派生する動きだから、第2キック単体の練習はないのね。
ビート板でドーントンってリズムでやることもあるけど、あれだって第1を蹴っての第2だからね。

で、この第1キックの練習を多く積んで、キックのときはお尻を上げる!
って意識づけを強くすると、第2キックでもお尻を上げちゃうことが多いのね。

実はこれ。ブレーキはかかるし、リカバリーの腕は戻りにくくなるし、身体にとっても自然な動きじゃないわけ。
しかもこの癖がつくとなかなか直らない。

身体本来の力が出ないだけじゃなく、怪我の原因にもなりかねない。

だから第1キックはイルカ飛びで代用して、先にお腹を伸ばす、お尻を締める第2キックを覚えさせた方がいい。
イルカ飛びができてれば、第1キックでお尻を上げる動作は意外と簡単にできる。

これが第2を先に覚えて第1を後回しにする理由ね。

先に形を作ってから細部を強化する

ここまで読んでもらったらわかると思うんだけど、まずバタフライの動きを完成させちゃう。
そこからキックの練習を積んで、強いキックを打てるようにする。

イルカ飛びで深く潜っていた動作を少しずつ浅くしていく。

この辺りから片手バタフライなんかのドリルも入れていくといいよね。

クロールや背泳ぎは水泳自体の導入になることが多いから、細部から作り上げていく感じだよね。
これはまず浮くことや潜ること、鼻から息を吐くこと、そういった事ができないと、先に進めないからね。

今回紹介した方法は他の3泳法ができてる事が条件だったでしょ。
そうすると、先にバタフライ自体を完成させた方が上達も早いし、身体にとっても自然な動きが身につくってわけ。

まずは10mも泳げればOK。
そこから足りない部分の練習を加えていけばいいよね。



まとめ

ってわけで、長々とバタフライの導入方法について書いてみました。
どうですかね。
これからバタフライを始めようって方には文章だけではわかりにくいと思います。

これ、誰に向けて書いてるかって言うと、ある程度水泳を理解している保護者の皆さんや、若い水泳コーチや中堅コーチ、なんで変なバタフライになってるのかな〜なんて悩んでる方に向けて。

キックの練習から始めるのが一般的。
もちろんそれも間違っていない。
でも、方法ってひとつじゃないんだよってことを伝えたかった。

教科書に書いてあることだけじゃなく、自分みたいな中堅からベテランに差し掛かろうとしている者の経験則っていうのも参考になるかと思い、書かせてもらいました。

でね、これ書いてて思ったけど、やっぱり初心者の人にも伝えたいから動画作りますね!
2月中には絶対アップします。

YouTubeインスタ両方でね。

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

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◻︎イルカ飛びのお話

◻︎2ビートクロールのお話




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