【板キック・ボードキック・ビート板キック】 板キックとはビート板を使ったキック練習を言います。クラブやコーチによっては「ボードキック」や「ビート板キック」と言うところもありますが、意味は同じだと捉えてください。 メニュー表にはBK(ボードキック)と表記されることが多いです。
バタ足の練習のことを指すことが多いのですが、バタフライのドルフィンキック、平泳ぎのキックでビート板を使うときにも「板キック」と呼びます。 |
こんにちは。
水泳パーソナルコーチの西川です。
さて、今日の水泳専門用語は「板キック」です。
まず板ってなんだよ!?って話ですよね。今回はその辺りから詳しくまとめてみたいと思います。
板はビート板のこと
まず、「板」とはビート板を指すことが多いですね。
その他、ボードとかキックボードなんて呼び方もありますね。
これは練習しているクラブでの違いで、意味合いは同じですよ。
ちなみに自分は「板持ってきて〜〜!」って感じで選手とやり取りしてます。
ビート板の種類
じゃ、そのビート板なんだけど、けっこういろんな種類のビート板があるので紹介してみます。
一般的にビート板って言ったらこんな感じですよね。
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これは一般的なビート板で主にキック練習で使うタイプです。選手から初心者の方まで使えるタイプですね。
次にこれ!
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このタイプは一般的なビート板よりひとまわり小さいタイプで足に挟んでプルブイとしても使えるタイプです。
このタイプはサイズが小さいのでビート板として使うのは体幹が安定し、ある程度キックで推進力をつけられるようになってから使った方がいいですね。トップ選手でもキック練習中はこのタイプを使わずに一般的なビート板を使ってるところを辰巳で見かけましたよ。
他にも可愛い絵が描いてあるものや、掴むための穴が空いているタイプもあるのですが、今回は一般的な2つだけ。
板キックの種類と方法
板キックって、クロールの板キック、平泳ぎの板キック、バタフライの板キックって感じでビート板を使った練習の総称ね。背泳ぎはあまり使わないけど。
で、今回はクロールの板キック、いわゆるバタ足とかフラッターキックってやつを中心に説明していきますね。
顔を水中に入れた練習
クロールのバタ足の場合、キック動作の他に呼吸の練習に用いることが多いです。
顔を水中に入れてイチ、ニ、サン、パッ!って感じのやつですね。
平泳ぎやバタフライでもキックを一回打ち、一回顔を上げる呼吸のタイミングの練習にも使われます。
背泳ぎは??
背泳ぎは気をつけキックやグライドキック(けのびバタ足)で練習を行うことが多いので、あまり板キックは行いません。
ただ、小さいお子さんや初心者の方は仰向け状態でお腹のあたりに抱えてキック練習を行うことで簡単に浮くことができるので、是非試してくださいね。②顔を水面上に上げた練習
顔を水面上に上げた練習
顔を水面上に上げることで顔を入れた状態よりも下半身が下がりやすくなります。
特に腰が反りやすくなるので、お腹にしっかり力を入れてやることをお勧めしましす。
顔を上げているので呼吸はいつでもできます。だから、こっちの方が簡単!って思う方いるかと思うんですけど、実はこっちの方が強度が高いんです。
人間の体ってどこかが水面から出ればどこかが沈むんですね。
顔が出ている分、下半身は沈む=沈まないようにお腹に力を入れると言うことで、強度が上がります。
得意不得意にもよりますが、バタフライのドルフィンキックの顔上げはなかなかの強度ですよ。
ビート板の持ち方
じゃ、次はビート板をどうやって持つ、いや、つかむかってお話。
ビート板の持ち方もクラブやコーチによって変わってきますが、一般的な持ち方を紹介していきますね。
ビート板の先端をつかむ
ビート板の一番先をつかみます。これは顔上げの練習の時にオススメ。上腕までビート板の上に乗るので上半身が安定します。
ビート板の真ん中に手を置く
こちらは顔を入れた練習の時にオススメです。先端をつかんでしまうと顔を水中に入れることができませんよね。
それと真ん中に置くことで浮力は手のひら付近のみに働きます。最低限の補助と言った感じになるので、初心者の方や小さなお子様に向いています。
よくある板キックの質問
顔は入れていた方がいいの?
顔を上げての板キックか、顔を入れての板キックってことね。
これは目的や身体の状況によって変えてあげるといいですよ。
例えば、キック強化!って感じなら顔を上げて全力でトレーニング。
顔を上げた状態って下半身が下がりやすくなるんだけど、その分腹圧を高めたりキックを強く打たなきゃいけない。それを考えると顔上げはトレーニング目的って感じかな。
次に、顔を入れての板キック。
これは顔上げに比べて水平姿勢を保てるので、強度が落ちるんです。
その分、体幹や腰にかかる負担も減るので、腰痛を持っている方や初心者の方におすすめですね。
それと、この顔入れの板キックは呼吸の練習にも使えるので、呼吸練習が目的であればこっちがいいですね。
板キックって足は出さない方がいいの?
次に多いのが、顔ではなく足を水面から出すか出さなかって質問。
これも使い分けるといい。
自分の個人レッスンでも使い分けてもらっているのですが、まずは足を水面から出さない板キック。これを顔を入れてやるのがオススメなんです。
よく、「足の付け根から」って聞きますよね?
板キックで顔を入れて水平姿勢を保つ。この状態で足を水面から出さないようにするには、足の付け根(股関節)を緩めないと出ちゃうんです。子どもや初心者の方って足の付け根から蹴って!言っても逆に緊張して足が棒になっちゃうことが多い。
そこで足の付け根からって言葉を使わず、この方法でやると自然に付け根が緩んで股関節からのキックが蹴れるってわけ。
じゃあ逆に足を水面から出しての板キックは?
これはトレーニング的要素が強い練習方法。
前の章でも書いたんだけど、顔上げで足も水面から出しての板キック。これはキックの回転数をできるだけ上げて、スピードを強化するときに使ってあげるといいですね。
で、この場合回転数を上げることを重視しているので足の付け根の動きはかなり小さくなるんです。
なので、この方法で板キックをしているときは足の付け根のことよりも回転数を上げることに意識を置いた方がいいですね。
まとめ
ってことで、今回は「板キック」についてでした。
板キックの「板」はビート板の意味。
顔を入れたり、入れなかったり、足を水面から出したり出さなかったり、方法を変えることで目的や強度を変えることができるってお話でした。
*この記事は2020年11月10日に書いたものを2022年11月25日にリライトしたものです。